ないものねだり。

うつ病で休職中。のんびり日常メンヘラブログ。

日記

どうでも良いことだけど。

 

2017年。自分が30歳のカウントダウンに入る1年前、つまり29歳の誕生日を迎えた日から密かに文字の日記を付けている。去年の後半からは、毎日書く体力も気力も、ついでに書くことも特になくなったので連続はそこで途絶えてしまったのだけれど。

 

自分みたいな飽きっぽくて、特に拘りも自我とかアイデンティティみたいなものもない奴が、1年半以上も毎日、自分の周りの出来事や内面を文字として綴ることが出来ていたなんて驚きだ。

最初の日記では、「さて、何日描き続けられるかな」と書いてあった。当時の自分に30歳になった瞬間も続いてたよと伝えてあげたくなった。

 

日記の大半は仕事の愚痴や趣味を楽しんでる様子で埋め尽くされていた。当時の自分は「30歳を迎えるまでにやりたいことは全部やる!」大作戦を実行していたので、土日はイベントや舞台観劇、平日はその趣味を充実させるために働くモチベーションを保っているという、うつ病を患ってる割には行動力に満ち溢れた人間だった。

 

 

うつ病が悪化して、人混みを避けるようになり、映画館や劇場、エレベーターや電車といった「閉じ込められてる」圧迫感のある場所に行くことが難しくなった。

 

自分の趣味はダイレクトに苦手な場所に拘束を余儀なくされるものだったので、徐々に趣味からも遠ざかるようになった。趣味に生きてるような人間だったわたしは、それを取り上げられたら、自分はなんのために生きていけばいいのか、どうして無理をして社会に溶け込む努力をしなければならないのかわからなくなってしまった。

 

社会から疎外されたくはないけれど、どうしてそう思うのかがわからない。そのために必死になる理由がわからなくて、常に溺れないように、沈まないように必死にもがいているのが苦しかった。

何をしていても、いつだって、社会という枠組みの中に自分の居場所なんてどこにもないように感じるのに、自分だけが、スポットライトから外れた暗闇の中にいるような気持ちになるのに、それでも、世の中から、社会という大多数の人が属する場所から外れたら、自分はいよいよ本当に駄目になってしまうような気がした。「人間」という括りから疎外されてしまうような気がして、誰かに認めて欲しくて、ここ(社会)にいてもいいんだよって言って欲しかった。

 

 

枠組みから外れて、世の中を俯瞰しながら生きてみれば、当時の必死だった自分がとても滑稽に思えてきて、わたしがいなくても世の中は進んでいくし、時間は勝手に過ぎ去っていく。

自分ってちっぽけなんだなあって認めてしまえば、意外と楽に息が出来ることに気がついた。溺れないように、沈まないように必死だった社会のプールは案外底が浅くて、もがかなくても簡単に立つことが出来るんだなと最近やっと思えることが出来るようになった。

 

休職したばかりの頃は、きのこでも生えそうなくらいじめじめうじうじ部屋の隅で泣いて朝を迎えて、泣きながら夜を越していたのに。

生きてる資格なんてもうないんだと落ち込みながら朝を待つ夜は長くて、暗くて寂しいものだったけれど。

 

感情なんて全部忘れた、楽しいことや幸せだと思えることなんて、この先の自分の人生には何もないんだと悲観に暮れていた時に、昔の日記を引っ張り出して読んでみた。当時のわたしにだって、明日か怖くて眠れない夜や、思うように身体が動かない朝だってたくさんあっただろう。

でも、読み返す限り、弱音の数より

「イベント楽しかった!」

「推しが今日も輝いてた!」

「推しが元気くれたから明日からも頑張れる」

「週末のイベントのために今週乗り切る」

 

「推しに出会えて幸せ」

 

ポジティブな言葉がほとんどだった。同じ人間だと思えないくらい。

 

 

こんな腑抜けで抜け殻みたいな自分にも、楽しいとか幸せだとか思える心があったんだと思い返したとき、「趣味のリハビリしてみよう」と何故かストンとそんな気持ちが湧いてきた。

 

大好きだった声優のライブと、大好きだった原作の舞台に行ってみた。

ライブは以前より体重も体力も落ちてるせいで、大半は座席に座って眺めているだけ。舞台は終盤から頭痛が酷くなり、次の日は熱まで出して寝込む大惨事だったけれど。

 

素直に湧いた気持ちは、「楽しかった」「幸せ」だった。勇気を出して踏み出した1歩は無駄じゃなかったと思った。

 

「29歳になったから、なんとなーくはじめてみようと思う」

そんな自分らしさ全開のユルい29歳の自分に、背中を押して貰えたような気がした。ありがとう、29歳のわたし。

 

貴女が何となくで始めた日記から、元気と勇気と、励ましと。大事な1歩を踏み出せた存在は、確かにいるよ。

 

 

誰からも必要とされてないなんて考えてた少し前のわたしへ

 

貴女を必要としている存在は、こんなに近くに、ちゃんといたよ。

 

わたしが、貴女を必要としているよ。

 

過去のわたしは、今のわたしにとって、かけがえのないくらい大切な存在だよ。